お金のことは、知れば知るほどおトク。これが今回のコンセプトです。
iDeCoとつみたてNISAの解説サイトはたくさんあるのに、投資に関わる税金のことまで詳しく解説してるのをあまり見ないんですよね。
もちろん非課税枠のこと、控除のことは解説してある。でもそこまで。
しかしiDeCoは確定申告が必要な場合もあります。必要なくともした方がいいときもあります。こういうの、まとめて知りたいですよね。
投資と税金(節税)、お金を殖やすにはどちらの話も大切です。そして知れば知るほどおトクなもの。個人事業主の私がわかりやすく、しかし網羅的に、投資に関わる税金のことを解説しますよ。
iDeCoの申し込みは何月がいい?確定申告は必要?
まずiDeCoを始めるときの注意点として、iDeCoの申し込みは7月までに行わなければその年の年末調整に間に合わない可能性があります。その場合はiDeCoについてだけ翌年2月16日〜3月15日に確定申告の必要が出てしまいます。

え、じゃあ年が変わるまで待つしかないの?

いや、ちょっと待ってください
確定申告って一回やってみると、世の中のお金にまつわるしくみへの理解が確実に深まるんですよ。本を一冊読むより余程いいと思う。
iDeCoの申告だけなら全く難しくありません。自信がなければ税務署にいけば必ずちゃんと教えてもらえます。解説サイトもいくらでもあります(私も書く予定です)。何より、あらゆる教科の中で数学がぶっちぎりで苦手だった私が毎年やってるんですから。
そのおかげで何となく簿記がわかるようになり、経済に少し強くなり、経済の先行きにある程度の確信を持てるようになり、投資もちょっとうまくできるんじゃないかな?って思った所から今に至っています。
一度でも確定申告をした経験があれば、世の中には様々な控除の仕組みがあることに気づきます。払う必要のない税金を払ってしまうことも減るでしょう。国税庁は払いすぎた税金については何も知らせてくれませんからね。還付金詐欺にも引っかかりにくくなりますよ。
副業やプチ起業へのハードルも下がるはずです。確定申告を避けなくてよくなると、いろいろな収入の形に気づく機会が増えると思います。
iDeCoで確定申告した方がおトクな場合は?
iDeCoでも、年収103万を超えるパート主婦(第3号被保険者)は確定申告をした方がおトクです。
これは基礎控除38万+給与控除65万=103万に、さらにiDeCoの掛け金分の控除が乗るからです。年収が控除の範囲に収まれば、課税所得(税金のかかる収入)はゼロで済みます。ちなみに98万+iDeCoの掛け金分に収まれば、住民税もゼロに。つまり一切税金を取られません。
今まで103万、あるいは98万で労働時間を抑えてきた人は、さらに掛け金分働いた方がおトクというわけです。ただし、確定申告をするならですが。(社会保険料を払いたくない人はまた別に計算してください。勤め先や労働時間などで変わりますので。)

確定申告を避けていると、損することがあるんだね
あまりに確定申告を怖がる人が多いので熱弁してしまいましたが、積み立てであっても投資に手を出すならば、お金に少し強くなる良い機会と思って確定申告してみるのはけっこう良い選択だと思います。
定年退職してから初めて確定申告をすることになったら、その方が大変ですからね。そしてそのパターンは案外少なくありません。
初めて証券会社で開設するなら「特定口座(源泉徴収あり)」
でも証券会社で口座開設する際には、初心者なら「特定口座(源泉徴収あり)」を選択しましょう。
証券会社では開設時に以下三種類の口座から選ぶことになります。
- 特定口座(源泉徴収あり)
- 特定口座(源泉徴収なし)
- 一般口座
「特定口座(源泉徴収あり)」は証券会社が税金の計算も納税もしてくれるため確定申告が不要。しかし「特定口座(源泉徴収なし)」では確定申告の必要がある、というだけではないのです。
源泉徴収(税金をあらかじめ徴収)しない場合、投資の利益が他の収入に上乗せされる形で税金が計算されてしまいます。場合によっては扶養控除や扶養手当、児童手当などが受けられる上限から外れてしまう可能性があります。
良く言われるサラリーマン20万の範囲(後述します)では、確定申告は不要でも住民税は申告が必要です。この住民税を給与天引きにした場合は会社に副収入を気づかれます。
つみたてNISAだけを運用する場合でも、関係がないわけではありません。
つみたてNISAは20年後、あるいは配偶者の死後、課税枠に引き継いで金融資産を保持・運用する可能性が誰にでもあります。
課税枠では確定した利益に20.315%の税金がかかります。(含み益にはかかりません。)0.315%は復興特別所得税で、2037年までの課税です。
源泉徴収なしの方がおトクになるケースもありますが、源泉徴収後の確定申告で取り戻せない場合のみ。とりあえずは源泉徴収ありの特定口座にしておきましょう。

「特定口座(源泉徴収あり)」にしておけば、投資の税金で困ったことにはならないのね
確定申告で還付されない場合は「特定口座(源泉徴収なし)」がおトク
源泉徴収後の確定申告では取り戻せない場合。それは「ほんとは払ってほしいけど、確定申告大変だろうからこのくらいの収入ならまぁ申告しなくてもいいよ」と免除されている程度の収入から、源泉徴収されているときです。
給与所得2000万以下の会社員は20万まで。専業主婦なら基礎控除の38万以内、パート主婦なら38万以内で給与所得と合わせても103万を超えない場合。自営業者も諸々の控除を引いた黒字との合計が38万以内まで。
これらの場合は源泉徴収なしを選択するメリットがあります。

でも投資の収入って、この金額以下に抑えようと思ってできるもの?

そこが難しいところです。そもそもの掛け金が少ない場合なら収まりやすいのですが
会社員なら最高でも4万程度(主婦なら7.6万程度)のおトクなので、そこまでがんばる価値があるかは人それぞれでしょう。タイミング等条件を満たせば源泉徴収のありなしは変更できる証券会社が多いので、挑戦してみるのも良いと思います。
ところで「特定口座」と違い「一般口座」は全て自分で計算も申告もしなければなりません。なぜそんな口座が用意されているのか不思議に思ってましたが、今回調べたところ「未公開株が買えるから」。メリットはこれだけでした。
名前に反して一般人には無関係ですね。他には、証券会社によっては特定口座だとお金がかかるところもあるようです。
積立投資のための税金 まとめ
課税枠でも「特定口座(源泉徴収あり)」なら税金の煩雑さを気にせず投資ができるとわかって、iDeCoやつみたてNISA以外でも老後資金の積み立てを考え始めた人もいるのではないでしょうか。この口座なら、会社員でも会社に気づかれることなく投資ができます。
iDeCoやつみたてNISAの枠にとらわれず、アセットアロケーションを考えた上で積み立て投資を考えてほしい。これがこのシリーズ記事のテーマです。
余裕資金があるなら課税枠でも、私と一緒に積み立て投資をぜひ始めましょう。老後資金を殖やしましょう!

老後資金2000万円は高い目標だけど、少しでも増やす努力はしておきたいね
では今回の内容を最後にまとめておきます。
- iDeCoを申し込むときは、どうしても確定申告したくないなら8月までに。(※しかし忘れたまま時が経つのはもったいないので、書類をもらうところまでは申し込みましょう。)
- 証券口座は基本的に「特定口座(源泉徴収あり)」に。
- 国民年金第3号の人は、iDeCoをやって確定申告した方がおトクな場合がある。
- iDeCo、つみたてNISA以外の投資をやる人は、「特定口座(源泉徴収なし)」を選んだ方が良い場合もある。しかし場合によっては損することもある。
これで証券会社に口座開設する準備は万端ですね。
次回は証券会社の選び方を解説します。アセットアロケーションの話はその後にしますのでしばしお待ちを。
関連記事です。
iDeCoで税金をいちばん考える必要があるのは受給時です。iDeCo受け取りの際の税金や手数料については、以下の記事でまとめています。
税金のことって、考えるのは楽しくもないし面倒なイメージが強いのではないでしょうか。
しかし税金について避けていると、ついにはこんなことになるという例がこちら。ぜひ悪い例を教訓にしましょう。
参考・参照:
【画像で解説】iDeCo(イデコ)の年末調整・確定申告の書き方|たあんと
特定口座と確定申告の関係をわかりやすく解説 | 確定申告の基礎知識(Money Forward)
特定口座と一般口座の違いって?損しないための選び方 | 俺たち株の初心者!
ゼロからの老後資金づくりの始め方シリーズ
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