『投資家が「お金」よりも大切にしていること』レビュー

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おすすめ本 書評
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アクティブファンドの購入を考えるとき、誰がどんな方針でファンドを運用しているのかは大変に気になるところですね。

今回は日本のアクティブファンドを代表する「ひふみ投信」の、運用会社社長の著書をレビューしました。

概要

レオスキャピタルワークス社長 藤野英人の比較的初期(2013年初版)の著作です。

氏は2017年にテレビ東京系「ガイアの夜明け」に出演し、一気にその名を馳せました。現在ひふみシリーズのファンドは、セゾン投信と並んで独立系運用会社としては異例の資金を集めています。

本書は学生さんからベテラン社会人の方まで、掛け値無しでおすすめしたい内容です。お金との付き合い方や関係性を深く考えさせられ、すぐに資金を投資に回すのが難しい人でも、いやそういう人こそ役立つ内容だと思います。本書をきっかけとして、お金に困らない人生になるやもしれません。

著者は明治大学にて長年講師も務めています。学生に向けて話しているような語り口は誰もに読みやすいのではないでしょうか。

内容紹介:
人生でいちばん大切なカネの話をしよう

本書は、私が投資家として20年以上かけて考えてきた「お金の本質とは何か」の結論を一冊に凝縮したものです。特に、これからの日本を担う10代、20代に読んでもらいたい。なぜならお金について考えることは、自らの「働き方」や「生き方」を真剣に考えることと同義だから。若いうちにお金の見方が変われば、自分の人生や社会に対する見方も大きく、良い方向へと変わっていくでしょう。理想論を言っているのではありません。お金の本質を全く考えずに良い人生を歩んでいくのは、現実的に不可能なのです。カネの話は汚い、金儲け=悪だと思っている人は、世の中について何も知らないことを、自らさらけ出しているのかもしれませんよ。

投資家が「お金」よりも大切にしていること (星海社新書) | 藤野 英人 |本 | 通販 | Amazon

レビュー

本を開くと一ページ目から引き込まれる演出で、著者が今までどれほどの優れたプレゼンを見てきたのかを最初のページから既に窺い知ることができます。

一章・二章は日本人のお金に対する意識について。日本人はケチでハゲタカで不真面目で、お金のことを何も考えていないとメッタ斬りです。しかし不快さはない。それは著者が他人への無条件の肯定感を持っているからではないかと思います。誰も切り捨てないのです。

またこのように読者に痛いことをはっきり言ってくれる本は私は信頼感を持てます。日本人がお金のこと考えていなさすぎるということは、薄々感じており気になっていました。もちろん自分も含めて、です。

恐らく投資のこと、経済のことがよくわからず「怖い」イメージがあったからかなと思います。その恐怖が「たくさんお金を得る」ことを遠ざけようとして、「お金持ちは汚いことをしてきた人たちなのでは」という偏見につながっていたようにも思います。

著者は日本人のお金観について、清く貧しい「清貧」か、汚い手でお金持ちになる「汚豊」かというラインしか持っていないと指摘します。そして清く豊かな「清豊」は実現できると主張。日本屈指の成績を誇るひふみ投信のファンドマネージャーだからこそ、強い説得力を感じます。

三章・四章では人と会社の存在そのものを肯定します。しかし同時に残念な日本の現状に釘も指す。日本人一人ひとりが真剣に「真面目に」お金のことを考えれば、世の中がもっと良くなると心から信じていることが伝わります。だからこそ本書を書いたのだということも。

孤独につけ込み投資信託を販売する手法には驚かされましたし、日本の投信にTOPIX型が多い理由には閉口しました。改めて国内株のインデックスファンドは買わないのが正解だと確信できるお話でした。

最終章である五章は、私たちが投資家としてどうすべきかを掘り下げます。安定とは何か、投資とは何か。そしてお金とは何か。カリスマファンドマネージャーの哲学が詰まっています。

特に「失われた20年」に隠された嘘と欺瞞は必読です。最後は考えさせると同時にちょっと明るい気持ちで社会に向かえる気持ちにさせてくれました。

最後の小見出しは「モノクロのレンズを捨てよう。世界はもともとカラフルなところなのだから」。

所感

この本で目を見開かれるような発見や気づきを得る人も多いと思いますし、実際に私も「お金」に対する価値観が少し変わりました。

しかし全体としては、私個人はどちらかというと「共感」の方を強く覚えます。

まず普段からどこにお金を落とすか意識して買い物をしています。大手スーパーより個人商店。電気は安さより自然エネルギー比率。応援の意味も込めてお金を使うことも多々あるし、受けたサービスに満足したら必ずお礼を伝えます。店員さんとあまり垣根があまりありません。会社員時代は掃除のおばさんと仲が良かったことも。

仕事のコンサルティングも孤独につけ込み投資信託を販売するのと同じように「依存させてコンサルティングなしでは安心できないようにする」と間違いなく儲かりますが、むしろ「自立」を目指すコンサルティングを行っています。小さいながらも自分で事業を興していることも大きいですね。

こうして考えてみると私は元々「消費」「生産」「投資」の視点を持ちそのつながりを意識する、投資家向きの思考をある程度していたように思います。自分が決めたアセット・アロケーションや今後投資を続けるための自信につながった本でした。

最後の最後は人を信じることというのも、投資を始めて少しずつ実感していたことでした。まさか「エイヤ」が投資用語だとは。信じてみようという決断を、自分が引き受ける覚悟も大事だということですね。

変化することこそが安定につながるというのも常々思っていること。変化し続けられる力こそがサバイブする力でしょう。

下落相場を乗り越えるための健全な楽観性は、こんなところから生まれるように思います。

ちなみにこの本の後半に「著者が尊敬する会社」として鎌倉投信が出てきます。この会社を立ち上げたメンバーであり、ファンドマネジャーとして2018年まで腕を振るっていた新井和宏の本に、私はいちばん「投資」の概念を変えさせられました。

以下はその本の携書化されたもの。こちらも大変おすすめですので紹介しておきます。

まとめ

読書は人生を豊かにしてくれる可能性のあるものですね。しかし当然ながら何を読むかによってそれは大きく左右されます。

本書はお金との関わり方という面において、あらゆる立場の人の人生を豊かにする可能性の高い良著であると感じました。おすすめです。

 

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ひふみシリーズと鎌倉投信のファンド「結い2101」をはじめ、独立系運用会社のファンドを以下の記事で紹介しています。ファンド選びの参考にどうぞ。

ひふみ投信をつみたてNISAで積み立てるなら、楽天証券がおすすめです。積立投資に業界一強いと言って良いでしょう。

楽天証券を申し込むならこちらの記事を参考にしてください。

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SBI証券のiDeCoは取り扱い本数No.1ですが、受給方法に制限があるのはネックです。詳しくは以下の記事でどうぞ。

 

参考・参照:資産運用部長ならびに「結い 2101」の担当ファンドマネージャーの交替について | 鎌倉投信

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