日本が貧乏になってるって本当?個人でできることは?

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ここ最近、日本は貧乏になっていると耳にしませんか?

でも生活はあまり変わっていないけど…

と思いますよね。特に海外に行く機会がないと変化を実感しづらいはずです。

日経新聞にそんな変化を実感できるニュースがありました。

価格が映す日本の停滞 ディズニーやダイソー世界最安
モノやサービスなど日本の価格の安さが鮮明になってきた。世界6都市で展開するディズニーランドの入場券は日本が最安値で米カリフォルニア州の約半額。100円均一ショップ「ダイソー」のバンコクでの店頭価格は

ディズニーランドに行く時、あるいはダイソーの100円商品を買うとき、日本で買うのが一番安くなってしまったというお話です。

東京ディズニーランドの入場料は7,500円。これを円換算するとカリフォルニアではほぼ倍の価格になります。パリでは1万1365円、上海ですら8,824円でなるほど日本が安くなっていますね。

さらにダイソーの商品を見てみると、タイですら円換算で214円。Amazonプライムの会員費はアメリカの半額以下。日本の物価がかなり安くなっていることがわかります。

一体なぜこんなことが起きているのでしょうか。

今回は、日本経済の現状にきちんと向き合い、予測される未来に備えてできることを考えていきます。

日本と他国の成長率を比べてみよう

さて、他の記事でも同じようなことを何度か言っていますが、日本のように20年以上も経済成長が止まっている先進国はどこにもありません。

以下グラフは1985年からの主要国の名目GDPです。日本(青い線)だけが1995年から成長が低迷しています。

出典:世界経済のネタ帳

こうした状況が、日本に長いデフレーションをもたらしています。成長している他の国は緩やかにインフレーションが起こっていると考えられるため、物価に差をつけられるのは当たり前の現象なんですね。

しかし日本で起こっているのはデフレだけではありません。もう少し深掘りしてみましょう。

庶民の使えるお金が減っている?

経済アナリストの森永卓郎が『年収300万円時代を生き抜く経済学』を出版したのは2003年です。

出版当初は「年収300万円時代なんて来るわけがない」と散々批判を浴びせられたとのこと。Amazonのレビューを読むと、出版した年に以下のように書かれていることからも、その論が当時あまり受け入れられていなかったことを窺い知ることができます。

「年収300万円時代を生き抜く経済学」という、ある意味、センセーショナルな書名であるが、読者の注目をあびるためにつけられた書名であろう。

出典:年収300万円時代を生き抜く経済学 給料半減が現実化する社会で「豊かな」ライフスタイルを確立する! | 森永 卓郎 |本 | 通販 | Amazon

しかし、わずか6年後の2009年には、リーマンショックの煽りを受けて平均年収が激減。サラリーマンの平均年収は406万まで落ちました。*1

その後、2019年9月には「サラリーマンの平均年収441万円、6年連続で増加」と国税庁が発表するもこの数値に違和感を覚える人は多い様子です。

そりゃあ、格差が広がっているのに「平均」を出しても庶民の感覚と合わないのは当たり前でしょう。厚労省の2018年「国民生活基礎調査の概況」を見ると、今回発表された平均年収以下の人たちは6割を超えていることがわかります。

さらに同調査では全世帯の57.7%が「生活が苦しい」と答え、4年ぶりに増加に転じたとあります。これに加え、消費増税が上がり物価も一部で上がっている昨今。実質賃金や可処分所得の中央値は、むしろ減少していると推測されます。

日本は家計消費が6割を占める内需国です。庶民の購買力がこれだけ落ちているのでは、デフレスパイラルから抜け出す日はまだまだ遠いと言わざるを得ません。

お菓子の中身が減っているワケ

翻って、為替市場を見てみましょう。

為替レートで見る円

出典:世界経済のネタ帳

円が1ドル75円台をつけたのは2011〜2013年のこと。その前後を見ると、円の対ドル相場は大体110円辺りで落ち着いているようです。(ちなみに1985年の極端な動きは、プラザ合意によって政府の為替介入が起きたために生じたものです。)

ユーロは一時160円をつけた時もありましたが、ギリシャ危機をきっかけに大きく下落。現在は1ユーロ120〜130円辺りに収まってきています。

こう見ると、円の価値はまだまだ安定、盤石という気がしますね。

しかしこれは、他国のインフレを勘定に入れていないからです。

思い出してください。日本以外の主要国は緩やかでも右肩上がりの成長を続けていることを。それはすなわち、緩やかなインフレが他の国では起こっているということです。

実質実効為替レートで見る円

では次は実質実効為替レートを見てみましょう。

「実効為替レート」とは対ドル相場や対ユーロ相場のように一対一で見るのではなく、いくつもの通貨に対し円がどうなのかを見るレート。その「実質」レートですからこれは物価変動を計算に入れたレートということです。

資料:日本 実質実効為替レート指数 [1970 – 2019] [データ & チャート]

複数通貨や物価変動を含めると、冒頭の名目GDPと同様1995年の高さが目立ちますね。

そこからやはり円安が徐々に進んでいることがこのグラフから見て取れます。民主党政権時代は少し上がっていますが、他はきれいな右下がりと言って良いかと思います。

円は右下がりに安くなっている。これが今起きている部分的なインフレです。

ほら、この間買ったあのお菓子、中身が昔より減っていませんか?原材料の高騰を理由に値上げします、ってここ数年でよく聞くようになっていませんか?

そういえばここ最近、外食するといつも「高いなー」と思っているよ

これは輸入原料、例えば小麦などが値上がりしたためです。

実は日本で食べられている小麦は86.8%が輸入に頼っています(2017年現在)。*2 その半分以上を米国産が占めているためにメーカーが昔と同じ価格で売れなくなっているのです。

ユーロの場合はギリシャ危機以前が高すぎたこと、インフレが緩やかなことから今のところこうした値上がりは実感されません。また2019年2月にEUとの経済連携協定(EPA)が発効されたことにより、欧州産のブランド品やワイン、チョコレート等で関税が撤廃されました。

しかし関税を取り払ったらそれ以上値は下がりませんね。日本がデフレから抜け出せない限り、通貨の価値に差をつけられていく状況が変わることはありません。

それなら高い輸入品を買わなければいいと思うかもしれませんが、残念ながら日本の食料自給率は現在37%程度しかありません。*3 衣料品等の生活必需品に関しても、日本製を見かけることは非常に少なくなりました。

日本より貧乏な国もあるよね?

では、もっと通貨の安い国を頼るのはどうでしょう。

日本でバブル経済が弾けてから、安い労働力を求めて工場を海外に移した企業はたくさんあります。最近は中国の労働力が高くなり、カンボジアやフィリピン等の製品を見かけるようになりましたね。

このように国(あるいは通貨)を変えることで安い労働力を供給することはまだできるため、衣料品や雑貨などはあまり値上がりを感じないかもしれません。

しかしこうした新興国は日本と違い成長の余地がまだまだあります。日本のように極端な少子高齢化でもないので働き手も十分にいることでしょう。日本が取り残される未来を覆す材料としては不十分です。

もちろん、成長がまだまだ望めない国もあります。世界の最貧国層はアフリカのサハラ砂漠以南に集中しており、先進国から長期に亘る援助を受け続けても貧困から抜け出せていません。

しかしこれらの国に工場をつくるには無理があります。度重なる内戦や民族紛争、鉱物資源の利権争い、政治の腐敗、法制度の不備(ルールなき市場)、エボラ禍まで、その理由は挙げればきりがないほどです。

ということで、新興国の安い労働力に頼り続けるのは、やはり限度があるでしょう。

日本がデフレスパイラルから抜け出せない限りは、輸入品による値上がりに苦しむ未来はほぼ確実に訪れると私は予想しています。

問題はそれだけではありません。

この状況が続くとどうなる?

輸入品が値上がり(インフレ)し、国内経済は成長しない。これが今起こっていることでしたね。

となると、困ったことが起きてしまうんです。

何せ経済成長ではなく、「ただ通貨の価値が落ちている」ために起こるインフレです。当然この場合、賃金の上昇は起きません。すると庶民の可処分所得(収入のうち、実際に使えるお金)が目減りし、消費は更に停滞しますね。

これは単純なインフレではなく、スタグフレーションと言われるものです。景気後退と同時に起こるインフレということ。

そして消費税は増税です。消費増税もやはり経済成長を伴わないインフレですから、この流れに拍車をかけるものになります。

想像がつくと思いますが、デフレスパイラルからスタグフレーションにまで入ってしまうと、抜け出すことは非常に困難と言えます。

ちなみに1979年の石油ショックで起きたスタグフレーションでは、大規模な財政出動によって景気を立て直しました。しかし今は反対に増税をしているような状況ですからね。

じゃあ私たちはどうすればいいの?

ではどうすればいいか?

答えは簡単です。

順調に経済成長でインフレが起きている国の、インフレに強い資産クラスにお金を変えておけば良いのです。

インフレに強い資産クラスとは、すなわち株です。そしていちばん順調に経済成長している国は、アメリカですね。

ですから、アメリカの株式市場全体に投資できるETFか投資信託を買うこと。これが私の導き出した答えです。

ただ、投資の世界で有名な格言に「タマゴを一つのカゴに盛るな」というものがあります。カゴがひっくり返ったときに全てのタマゴが割れてしまうような買い方は避けなさいということ。分散投資の大切さを説いたものです。

一国集中投資はそれだけのリスクがあるので、初心者には先進国株式(日本を除く)の方がおすすめです。

もちろんアメリカだって、これから先も順調に右肩上がりとはいかないかもしれません。しかし、思い出してください。20年以上デフレが続いているのは先進国で日本だけ。この国が特殊なんです。

先進国、特に米国は、長い目で見れば今まで通り必ず右上がりになるだろうと私は信じています。少なくとも、日本円だけを持ち続けるよりずっとリスクが低いでしょう。

それに実は、長期積立投資であれば右上がりではなくともちゃんとプラスが出ますからね。(完全な右下がりなら厳しいですが。)

何より今は、つみたてNISAやiDeCoといった非課税制度も充実しています。

インフレやスタグフレーション対策として、そして老後資金の準備として考えるのであれば、米国あるいは先進国株式に資産の少なくない割合を変えておくのが最適解ではないかと私は思います。

関連記事です。

つみたてNISAやiDeCoで買える、先進国株式・米国株式のファンドは以下でおすすめを紹介しています。

投資がまったく初めての人はこちらのシリーズを読んでみてください。始めるために必要な解説は全てまとめたつもりです。

積立投資に強い証券会社といえば楽天証券です。非常におトクで使いやすいので私も楽天証券で積立投資をしています。

楽天証券を申し込むならこちらの記事を参考に口座を作ると良いですよ。

 

*1:サラリーマンの平均年収のすべてがわかるページ【最新年は440.7万円】|年収ガイド
*2:帝国書院|統計資料 統計地図 小麦の生産トップ10と日本の輸入先
*3:食料自給率- Wikipedia

参考・参照:
「サラリーマンの平均年収441万円、6年連続で増加」に納得いかない、という声「一体どこで増加」「平均でなく中央値で出せ!」| キャリコネニュース
平成30年 国民生活基礎調査の概況|厚生労働省

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